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病気のお話シリーズ vol.1 “白内障について”                             2015.3.29

今回からスタートしたブログ新企画
月1回の予定で先生たちが病気について
ブログを書くことになりました

第1回目は、眼科の小山先生担当で『白内障のお話』です

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

皆さん、白内障は知っていますよね。そう、眼が白くなる病気です。
具体的には水晶体というレンズの役割をしている部分が白くなる
ことを言うのですが、

意外と分かっていただけていないことが多いと思います。
白くなると言っても、瞳の中が真っ白っていう状態から、
部分的(点々や線状など)に白くなるものまで様々です。


            進行した白内障


          初期の白内障

眼が白くなるのはかなり進んだ状態で、瞳の色が左右で違う、
などから気づかれる方もいらっしゃいます。
また白内障=お年寄りの病気、と思われている方も多いと
思いますが、わんちゃんの場合、以外と若い犬に多いのです。

老齢の犬にも白内障はありますが、老齢になって水晶体が
固くなる(核硬化症と言います)状態でも眼は白く見え、
それを白内障と思われている方もいらっしゃいます。
この状態は白内障ではなく、私たちで言うところの老眼なのです。

白内障になると白さの程度によって、見えにくくなります。
ボール遊びのボールが探せない、歩き方がゆっくりになる、
においを嗅ぎながら歩く、壁に当たたる・・・・などの症状が
出てきます。


     これは白内障ではありません
       核硬化症です

ただし進んだ白内障があっても、片眼の場合なら、そのような
症状はほとんど見られません。前述した核硬化症の場合でも、
見えなくなることはまれです。

白内障を放置すればどうなるのでしょうか?白内障だけでは、
痛いことはありません。たとえ見えにくくなったとしても、元気や
食欲は変らず、ましてや片眼の場合はいつもと同じように
暮らすことができるでしょう。
でもそのまま放置すると、そのうちのいくつかは白内障のために
別の眼の病気になることもあるのです。
      

進行しすぎて水晶体が解けてなくなってしまうこともあります。


白内障によって炎症がおきてしまった状態


      水晶体が解けた状態

そうならないためにも、おうちのわんちゃんの眼に異常を
感じたら、動物病院に相談してください。

白内障の治療には人と同じように白くなった水晶体を
取り除き、人工の水晶体を入れる手術
(水晶体乳化吸引術+人工レンズ挿入術)が行われます。


 手術後の人工レンズが入った状態

原則は同じでも、人と動物では全く一緒というわけにはいきません。
人では日帰り手術なども多く簡単な手術になってきていますが、
動物の場合は全身麻酔が必要であったり、患者さん(動物)の
代わりに飼い主さんが点眼を行ったり、安静を保ったりしなければ
なりません。
手術後は結構大変な管理が要求されます。

でも手術がうまく行けば、以前のような視覚を取り戻すことができます。
白内障手術をして、『以前のように見えるようになりました』と
よろこんでもらえると、獣医冥利につきます。
少しでも視覚が取り戻せるわんちゃんが増えますようにと
日々の仕事に取り組んでいます。

    

 

“病気のお話シリーズ vol.1 “白内障について”                             2015.3.29” への2件のフィードバック

  1. 匿名 より:

    白内障手術についてお尋ねします。

    先日、愛犬のかかりつけ医より白内障手術であれば
    貴院を勧められました。

    貴院で白内障手術を行った際の費用はだいたいおいくらくらいでしょうか。

  2. 山本セレア より:

    14才のトイプードルです。
    右目が白内障ぽくなり真っ白です。
    手術は可能ですか?
    また、費用等お教え下されば幸いです。
    宜しくお願い申し上げます。

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