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CSブログ【抗がん剤治療の患者様への取り組み】 2023.4.26
こんにちは。
動物病院ケアスタッフの大森です。
私は、腫瘍の患者様の検査や治療に携わる事が多いので、
今回は、VRセンターでの抗がん剤治療の患者様への取り組みを
ご紹介させていただきます。
抗がん剤治療は基本的に通院で行います。
腫瘍の種類や患者様の状態に合わせて使用する抗がん剤も様々です。
抗がん剤は腫瘍にダメージを与えるもので、そこにはやはり副作用も伴います。
抗がん剤の種類によって副作用は様々です。
血液に異常をきたすものをはじめ、
発熱、食欲の低下や下痢などを呈する場合もあります。
状況によっては入院が必要になるケースもあり、
投与後の患者様の様子の変化は重要です🤔
そこで、変化を知るためにVRセンターでは記録用紙を
お渡ししています📝
抗がん剤投与日から約1週間後の再診までの間、
体温測定・食欲の評価・排便の評価・嘔吐の有無を
記録していただいています。
再診時は、記録表をもとにお話をお伺いします。
その中から、なぜ体温を計らないといけないのか?
についてお話ししたいと思います。
まず、抗がん剤の副作用で一番注意が必要なのが、
白血球が抗癌剤によって減少する骨髄抑制です。
病原菌に対する体の抵抗力が弱くなり感染症を起こしやすくなります。
発熱は感染を起こしている可能性があるため、
早期に気づき病院で対処できるよう、ご自宅で体温測定をお願いしています。
ちなみに…犬や猫の平熱は人より高く、
発熱の目安として、39.0℃以上ならご連絡をいただくよう
お伝えしています🐕🐈
でも犬や猫の体温ってどうやって計るのか?という方も多いと思います。
そもそも犬や猫の体は被毛があるため、
人のように脇ではなかなか正確な体温はわかりません💦
そのため、お尻に体温計を1cm程入れて測定します❕
いくら可愛い家族でも、直接お尻に入れた体温計の共有はちょっと・・・
と思う方には、体温計カバーをつけてもらいます✨
さらに、ワセリンやベビーローションなどの潤滑剤を
先端に少量つけてあげると、刺激の軽減になります🌝
しかし、いくら刺激を軽減したとしても、不快感を示す場合も多いため、
体温測定を行う飼い主様との関係を壊してしまう恐れがあることを、
私は特に気にしています😌
★測定後は
ご褒美をあげる
お散歩が好きな子であればお散歩に行くなど
できるだけ患者様にとって精神的な負担とならないようにお伝えしています。
★再診時には
体温のチェックだけでなく、
測定は継続できそうですか?
嫌がって飼い主様との関係が悪くなるなど大変になってきていませんか?など
ご自宅でのQOLに関わる事も注意してお話をお伺いしています。
★お話していると
今後のことや、不安に思っている事を不意に口にされることもあります。
ただお話をゆっくり聞くだけでも、私達に聞いてもらえて良かったと
おっしゃっていただくこともあります😀
私は、抗がん剤治療は患者様とそのご家族、動物病院との連携と
信頼が重要だと思っています。
そのために私達に何ができるのか日々模索しています🤔
私達が、お話を聞くということが飼い主様の支えになることを知りました☆彡
通院される中、新しい季節を迎えたことを一緒に喜び👏
副作用が重い時は一緒に心配し励ますこともあります。
そして、常に飼い主様の味方であるといるという気持ちで
お話をお伺いしています。
これからも、患者様はもちろん、飼い主様を少しでも支えられるように、
些細なことでも相談にのれる存在となれるよう、向き合っていきたいと思います🍀