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山口先生のWebセミナー 2021.10.18
先日、山口先生がペピイWebセミナーの講師を務めました
VRセンターからも動物看護師を中心に
多数のスタッフが参加しました。
内容は『手術後の動物の痛み』についてのお話でした。
今回のセミナーは、手術後入院した患者様を
なるべく痛みなく、合併症なく、少しでも元気な状態でお家にお返しすること、
また入院中、患者様、オーナー様、スタッフが不安なく過ごせるよう
動物が感じている痛みを学ぶセミナーでした。
第1回は
痛みを知ること、痛みの推測や評価方法
鎮痛の大切さについて
第2回は
様々な鎮痛薬の特徴や歴史
患者様の画像を見ながら痛みの推測と評価を行いました
今回は、1回目の内容を少し紹介します
ポイントは大きく4つの項目に分かれていました。
痛みとは
手術を行うと必ず痛みを伴い、話せない動物の痛みを
完全に理解することは難しいことです
世界小動物獣医師会によると
「動物の痛みの認識は」
痛みは人や動物特有の個別の経験であり、
そのため個々の感覚を認識することが困難である
と記されています。
VRセンターに来られる患者さんも、痛みに弱いこ
我慢強いこがいると感じます
痛みのレベルを、患者様を観察して痛みを評価し
追加処置が必要な状態であるか探る必要があります。
そこで・・・
痛みの推測
動物が今痛いのかは分かりませんが
患者様の背景から推測することができます
どの様な手術をし、どの程度痛い手術か
手術後の経過時間からどの程度の痛みがありそうか
鎮痛薬で十分な鎮痛が行えているか考え痛みを推測します。
具体的に
動物種、年齢、性別、体重、基礎疾患
手術内容 (手術により、痛みのレベルがあります)
術後経過時間 (手術中の痛みと手術後の痛みがあります)
鎮痛方法 (鎮痛薬は作用部位や作用時間が様々。
鎮痛薬の組合せで十分鎮痛が行えているか)
これらの項目から推測します。
手術の痛みのレベルを示す、この様な一覧もあります
ちなみに避妊手術は、中程度~重度にあたるそうです
そして・・・
痛みの評価
手術後、痛みを評価する項目は多数あります。
様子、呼吸数、食欲、体温、排泄
嘔吐・下痢は?散歩に行けそう?ペットシーツの交換は協力的?
VRセンターでも獣医師と動物看護師がチームとなり評価しています。
動画を撮って客観的に評価をすることも
また、痛みを数値化して評価する方法もあります。
例えば
痛みがあると不快に思い、動きたがらなくなります。
また、横向きで寝ない、立ったままで頭部が下がっている、
眠れない、人に興味がない、傷口を触ると怒ることも
推測していたことと一致しているか数時間おきに評価します。
では・・・
なぜ鎮痛が必要か
痛みがあると循環器・呼吸器・消化器・泌尿器・免疫系
全身に影響がでてしまいます。
すると、患者様の負担になり、入院期間が延長してしまうこともあります。
VRセンターでも、患者様の背景や、患者様が発しているシグナルから
痛みのレベルを推測・評価し、必要な鎮痛剤処置を行うことで
より良い入院生活が送れるようチームで取組んでいます
我が家の猫もWebセミナーに参加しました