ネオベッツVRセンター(MRI・CT完備)|大阪の動物病院

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病気のお話シリーズ vol.4 “犬の前十字靭帯断裂 パート1”                     2015.7.30

先月はお休みさせていただいていましたが
今月は、病気のお話シリーズ4回目をお送りします。

今回は、整形外科の戸次先生から
犬の前十字靭帯断裂 パート1』です

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初めまして、ネオベッツVRセンターで整形外科を担当しております戸次です。
整形外科では、跛行の原因となる骨や関節疾患の診断・治療を行っています。
今回の“病気のお話”は、『犬の前十字靭帯断裂 パート1』について解説します。
前十字靭帯とは、膝関節内に存在する大腿骨と脛骨を繋ぐ紐状の構造物です。

  
   前十字靭帯断裂の模式図(右後肢)

膝関節の安定化にはなくてはならない構造物であり、
切れてしまうと犬は足を挙上したり、
      
       
 右前十字靭帯断裂
          (半月板損傷あり)

跛行を呈します。
超小型犬では、自然に症状が改善するケースもありますが、
一般的に手術が必要と考えられている疾患の一つです。

人ではスポーツをしている最中に切れてしまうことがありますが、
犬では日常生活を送っているだけで切れてしまいます。

明確な原因は、解明されておりませんが、姿勢、骨形態、ホルモン、
遺伝などの関連が疑われております。

前十字靭帯断裂は、超小型犬から大型犬まであらゆる犬種が
発症することが知られています。

当センターで過去にTPLOという手術を実施した犬285頭を調べると
大型犬では、
ラブラドール・レトリバー
ゴールデン・レトリバー
バーニーズ・マウンテン・ドック

中型犬では
柴犬
ウエルッシュ・コーギー
アメリカン・コッカー・スパニエル

トイ種では
トイ・プードル
チワワ
ヨークシャー・テリア
が、それぞれ上位3犬種でした。

年齢は、一般的には7歳前後が多いと言われておりますが、
1歳の時点で発症することも少なくありません。
あらゆる疾患に対して言えることだと思いますが、良好な予後を
得るためには、早期診断が重要と考えられます。

当センターでの診断までの流れは、初診時に歩様や姿勢を観察し、
次に触診

             膝関節触診風景
  (左右の膝関節の腫れや脛骨前方突出を確認している)

そしてX線検査を行います。
そこまでは、無麻酔検査として実施することが多く、次のステップでは、
麻酔下で関節鏡検査や実際に手術を行っていきます。  

診断や治療の詳細に関しては、またの機会に解説します

“病気のお話シリーズ vol.4 “犬の前十字靭帯断裂 パート1”                     2015.7.30” への1件のコメント

  1. 斉藤美知代 より:

    14歳の柴犬です。後ろの左足じん帯が切れて歩けないです。手術して直りますか?治療費? 

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