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VNブログ 【手術が始まるまでの流れ】 2016.2.25
今月のVNブログは吉平動物看護師が
手術室で手術が始まるまでに行われていることをご紹介します。
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こんにちは。
動物看護師の吉平祐樹です。
新卒で勤務を始め、もうじき丸5年になります。
現在は整形外科の診察や手術に入る事が多く
私が手術で関わった患者さんが再診で、元気に歩いたり
走ったりする姿を見るのを楽しみに仕事を頑張っています
今回は、その手術が始まるまでの流れを紹介したいと思います
手術というと皮膚を切ってから皮膚を縫い終わるまでと、
思い浮かべる方が多いと思いますが、(大学に入る前は私もそうでした)
実は皮膚を切る前にたくさんの事が行われています。
当センターで手術を行う際は、まず、手術室の準備を行います。
手術室には機械がたくさんあり、中には正常に動かなければ
患者さんの命に関わる物も少なくありません。
そういった物を事前にチェックし、安全に動くか確認します
手術を安全かつ円滑に進める為にはとても重要なことです
手術室の準備ができると、次は、患者さんの番です。
そのまま手術を行うと、痛くて動くため大変です
当然ながら全身麻酔をかけます。
今回は椎間板ヘルニアの手術に挑むミニチュアダックスフントの
ケンちゃんに協力して頂き、流れを紹介します
お薬を入れ、少しボーッとしたところで気管チューブという管を
気管に入れ、そこから吸入麻酔を入れながら人工呼吸器に
切り替えます。
ちなみに手術室とは別の場所で全身麻酔はかけ始めます。
患者さんがお薬で眠ったところで手術室に移動・・・・
というわけにはいかず次は、毛刈りです
手術する部位周辺を大きくバリカンで毛刈りをします。
動物の毛はたとえ毎日シャンプーをしていたとしても
キレイなものではありません。
可哀想と思う方もいるかと思いますが、術後の感染のリスクを
下げるためにも必要範囲は刈らせて頂きます
毛刈りが済むと、皮膚の消毒に移ります。
当センターではクロルヘキシジン酢酸塩の消毒液を使用し
術部の消毒を行います。
術部の中心から外側に向けて念入りに消毒します
消毒が済むと、手術室に移動です
ここから執刀医や助手が手を洗い、滅菌されたガウン、手袋で
身を包みます。
そして、滅菌された布で患者さんを覆い、手術する部位を
最小限露出させ、ようやく手術開始となります
このような流れで当センターではお預かりした患者さんを
手術まで導いています。
最初に手術が始まるまでと表記しましたが、準備や消毒が
手術の成功に大きく関与していることを考えると、この時から
手術は始まっていると言っても過言ではありません。
そのような気持ちで私たちは手術に挑んでいます。
今回のお話しで過去に手術を受けた方や、これから受けられる方は
愛犬や愛猫の手術に挑む姿が想像しやすくなったのであれば幸いです。
また、今回撮影に協力してくれたケンちゃんとブログ掲載に
快く了承していただいた松尾様には深く感謝いたします
元気に歩くケンちゃんの姿を見られるのを楽しみにしています