ブログ
VNブログ 【白内障 入院~手術 退院まで】 2022.5.16
こんにちは
動物看護師の山田です
皆さんは白内障という病気をご存じですか
人ではよく聞く病気だと思いますが、実は犬猫もなる病気なんです
当院でも年々来院件数は増加傾向にあり、ほぼ毎日白内障患者さんの
診察をしています。
そこで今回は当院の白内障の入院~手術、退院までの流れを
ご紹介したいと思います
〇まずは入院手続きから
白内障手術を受ける患者さんは、手術前日から入院していただき
手術前に眼科検査や複数の点眼を行います。
入院時に患者さんの生活スタイルや性格、既往歴などを確認させて頂きお預かりします。
〇次に術前検査です
眼球の中~外まで眼科検査を行います。
・シルマーティア試験:涙の量を測る検査
・スリットランプ検査:細い光を目に当て角膜、虹彩、水晶体等の前眼部を詳しく見る検査
・眼底検査:網膜や視神経乳頭の状態を確認する検査
・眼圧検査:眼の圧力を測定する検査
・超音波検査:水晶体、硝子体、網膜等の確認を行う検査
などを行います。
+αで全身状態の評価として血液検査、レントゲン検査も行います。
眼の検査が終わったら患者さんには入院室で過ごしていただきます
〇手術当日
朝から点眼薬を30分おきに数種類使用して目のコンディションを整えます。
点眼をしつつ手術の準備を着々と進めて行き、手術室へ
まずは麻酔をかけて、網膜電位図検査(網膜の機能を評価する検査)から行います
この検査で網膜の異常がないと判断できたら目の周りの毛刈り消毒を行い、
いよいよ手術に入ります。
白内障の手術は特殊な機械を使って目の白濁部分を取り除き、
動物用の人工レンズを入れて縫合したら手術は終了です。
※網膜の検査~手術(片眼)終了までは約2時間程かかります
白内障の手術風景(顕微鏡を使い暗い中で手術を行います)
術後は時間を決め、眼圧の測定や眼の見え方を評価します。
その結果を踏まえ、術後の眼の状態に応じて点眼薬や処置を追加します。
入院期間中の眼のケアとしては、
・定期的な獣医師による眼の検査
・時間指定の点眼処置
・眼の状態チェックと記録
・眼のケア(洗眼・清拭)などを行っています。
スタッフは24時間365日常駐しておりますので、
患者さんの異常所見が見られた場合はすぐに獣医師に報告し、
早急な対応に努めております。
手術後は視力が回復して眼に異常がないと判断できれば
術後3日目で退院です
〇退院後
退院後も点眼治療は継続して頂き、術後3か月間は眼の状態を
診せていただくために定期的に当院に通っていただきます。
以上が白内障患者さんの入院~退院までの流れです。
白内障手術は手術がゴールではなく、治療のスタートです
術後、眼の合併症はいつ起きるかわかりません。
一生涯視力を維持するためには定期的な眼科検査がとても重要です。
患者さんの眼をお守りするために、スタッフ一同しっかりサポート
させていただきますのでご不明な点がありましたらいつでもご相談ください
白内障に関する小山先生が書いたブログもご覧ください
『白内障 病気のお話ブログ』←クリックしてください