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ネオベッツセミナー‟僧帽弁閉鎖不全症”                                2018.5.14

今回は、先日開催したネオベッツセミナーについて藤井先生がレポートします

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こんにちは。
獣医師の藤井愛里です。

先日、当センターで「JASMINE動物循環器センター」の髙野先生を
お招きし、ネオベッツ
セミナーを開催しました。

JASMINE動物循環器センターは最先端の循環器治療で世界的に
注目されている施設です


本セミナーの演題は
  『僧帽弁閉鎖不全症の診断&治療アップデート
    ~変わる内科治療内科治療る内科治療&外科治療の実際~』 であり、

循環器の基本的な知識から、様々な研究データをもとにした最新の内科治療や
外科治療について、非常に貴重な講演をして頂いたので、その内容の一部を
ご紹介させて頂きます。

「僧帽弁閉鎖不全症」という病気を耳にしたことがある方は少なくないかと思います。
 僧帽弁閉鎖不全症は
   犬において最も一般的な心臓の病気の一つで、
   そのほとんどが加齢とともに数年かけて進行します。
   この病気は、適切な治療介入によって、生活の質を
   上げることができますが、治療
介入時期やお薬の種類について
   様々な意見があります。

従来では、
       トリプルセラピー
     
ピモベンダン ・ フロセミド ・ ACEi3種類のお薬を使うのが一般的でした
髙野先生のお話では、
    ダブルセラピー
     
ピモベンダン ・ フロセミド2種類のお薬でいいのではないかとのこと

ピモベンダンの治療開始時期については、
       現在は無徴候で心拡大が認められない
       早期StageB1からの内服開始は現時点では推奨されておらず、

       心拡大が進行した
       無徴候の僧帽弁閉鎖不全症StageB2後半)からの内服開始によって、
       有意に肺水腫や心臓死までの期間を延長させたというデータをご紹介頂きました。

このことから、咳などの症状が出る前から定期的に心臓のエコー検査を
行うことの必要性が高まってきているように思われます。


次に、従来動物医療ではあまり実施されてこなかった
僧帽弁閉鎖不全症の外科手術も
ご紹介頂きました。

外科手術の方法とは、
     一旦心臓を停めて人工心肺装置に接続し、その間に心臓の弁を
        形成するというものです。
     難度の高い手術になりますが、JASMIN動物医療センターでは、
        その治療
成績も向上しており、僧帽弁閉鎖不全症の治療として
        選択肢に挙げられるようになって
きています。

僧帽弁閉鎖不全症は昔からある病気ですが、新しいお薬の使い方や
外科手術という新しい選択肢ができてきていると実感できたセミナーでした。

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