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H29年度獣医学術近畿地区学会 受賞報告 2017.10.12
10/8(日)H29年度獣医学術近畿地区学会が開催されました。
今年もVRセンターから複数の先生が症例発表を行ないました。
そして今年もうれしい受賞報告をしたいと思います
神経科の王寺先生 : 優秀研究褒賞
発表内容『胸腰部に観察された脊椎すべり症のイヌ6例』
総合診療科の森下先生 : 学術奨励賞
発表内容『胆嚢摘出術を実施した犬111症例における回顧的研究(2014-2017)』
総合診療科の望月先生 : 学術奨励賞
発表内容『鼻咽頭狭窄に続発した上部消化管の異常を認めた猫に1症例』
優秀研究褒賞受賞の王寺先生は、 椎間板ヘルニアの新しい病態について報告を行い
44件の発表者の中から2名のみに選ばれるもっとも優秀な賞を頂きました
王寺先生は3度目の受賞となりました。
昨年は総合診療科の澤木先生が優秀研究褒賞を受賞しており
今年の学会で受賞式が行われました。
夜はスタッフが集りお祝い会
この日は夜遅くまで喜びに包まれたVRスタッフでしたが・・・
実はスタッフ以外にも祝福してくれた人ではなく・・・爬虫類が
最近、医局に住み着いている 赤ちゃんヤモリ君です
撮影者:王寺先生
VRセンターの守り神と言われています
新規導入機器紹介:第3弾 (ARIETTA 70 HITACHI) 2017.10.8
今回も、新しくVRセンターに導入した機器を紹介します
第3弾は整形外科の日高先生が超音波検査装置を紹介します。
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今回新たに導入した超音波検査装置(ARIETTA 70 HITACHI)は、
これまでのものと比較し画面が大きく、画像もクリアに描出されます。
そのため、より詳細で正確な診断が可能となりました。
この新たな検査装置は、腹腔内や心臓の評価に加え、整形外科領域の診断を
大きく前進させてくれるものと期待しています。
両手が塞がっていても、足元のフットスイッチを使用することで
静止画のシャッターチャンスを逃すことなく撮影をおこなえます。
こちらは膝蓋骨内方脱臼の患者様の画像です
導入した超音波検査装置では筋肉の硬さを評価することができます。
赤色 : 柔かい筋肉、青色 : 硬い筋肉
膝蓋骨内方脱臼の患者様は筋肉が硬くなっています。
超音波画像から筋肉が青く記されており、硬くなっていることが分かります。
整形外科の診断に必要な検査といえば、触診、X線、CT、MRIなどが一般的です。
事実、多くの場合これらの検査を組み合わせて総合的に評価することで、
正確な診断が得られます。
しかしながら、これらの検査では、組織の“動き”を リアルタイムに評価することができません。
整形外科の対象は、骨や筋肉、関節内外の組織、いわゆる運動器と呼ばれる組織です。
運動器を評価するには、今回のような超音波装置を用いて “動き”の評価をプラスすることで
より正確な診断を得ることが可能となります。
また、超音波検査装置は、X線では評価できない筋肉や靭帯、
腱を描出することができ、これらの評価を客観的に行うことができます。
大腿四頭筋を短軸断像で診る場合
・ 大腿骨遠位1/3の部位で大腿骨に対し、垂直となるようにプローブを当てます。
・ 一画面で内側および外側を描出することはできないので、内側、外側と分けて描出します。
こちらが超音波検査で描出された
大腿四頭筋、および縫工筋です
実際に人医療の整形外科領域では、超音波検査装置を用いた診断や
リハビリ評価が除々に広まりつつあります。
まだまだ整形外科と超音波検査は結びつかない印象が強いと思いますが、
超音波検査の有用性は無限にあると考えています。
先月、整形外科疾患をエコーで診る為の獣医学書も発売になりました
著者は、以前VRセンターでエコーの院内セミナーを行って頂いた本阿彌宗紀先生です。
これからの 整形外科の診断、治療方針の決定、術後の経過評価に
超音波検査を用いることで、より正確で客観的な評価を行うことができると期待しています。
新規導入機器紹介:第2弾 (crossfire2) 2017.10.1
前回に続き、VRセンターに新しく導入した機器を紹介します
第2弾も整形外科の戸次先生が手術器具を紹介します。
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関節鏡視下手術とは
内視鏡を関節内に挿入して内部の構造を拡大し、
病変部を発見して治療する手術方法です。
適応となる代表的な疾患には
◆ 前十字靭帯疾患
◆ 内側鉤状突起分離症(FCP)
◆ 離断性骨軟骨症(OCD)
などがあります。
関節鏡視下手術を行うためには
・ カメラ
・ 光源装置
・ モニター
・ 小関節鏡手術機器
などの他
・ 滑膜などの組織切除を行うシェーバー
・ 止血や組織除去を行うRF(Radiofrequency)
が必要になります。
今回9月に導入した クロスファイヤー2 は、
シェーバー機能とRF機能が1台にまとまり、手術室の省スペース化に
貢献するどころか、シェーバー機能に関しては、回転様式や
回転数などが改良されたことでスムースに滑膜除去が可能となり、
手術時間の短縮や安全性の向上を実感しております。
新規導入機器紹介:第1弾 (Primado2 total surgical system) 2017.9.27
今回から数回に亘りVRセンターに導入した機器を紹介します
第1弾は、先月導入した手術器具を整形外科の戸次先生が紹介します。
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整形外科用パワーツールとは
手術中のドリルやインプラントの固定などを行うために
特別に設計された装置のことをいいます。
我々は、整形外科用パワーツールとして
● J&J depuy synthes 社製の “colibriⅡ”
● Stryker社製の “CORE universal driver”
● Arthrex社製の “Arthrex 300 power system”
を使用してきました。
これに新たに2017.8月に
ナカニシ社製トータルサージカルシステム “プリマド2” を導入しました
それぞれの機器の違いは、グリップの大きさ、重さ、回転数、
オシレーティング機能、アタッチメントなど少しずつ異なっております。
“ちょっとした違い”かもしれませんが、外科医として“ちょっとした違い”を
追求することで、手術時間の短縮や手術成績の向上につながり、動物に
優しい治療につながると我々は考えています。
今回のナカニシ社製 “プリマド2” は、グリップサイズが小さく、
重さのバランスや回転数(オシレーション機能あり)、
そして振動鋸に薄いソーブレードを装着することが可能であることから、
小型犬の膝蓋骨脱臼の手術をよりスピーディーかつ正確に実施することが
できると考えて導入しました。
また、この電動ドリルと2017年5月に導入した
MIZUHO社製 “トイカッタブルプレートシステム” を組み合わせることで、
特に体重2kg未満の橈尺骨骨折治療も行いやすくなりました。
トイ・プードル 7歳10か月齢 去勢済み雄
体重1.7kg 橈尺骨骨幹部横骨折
<術後レントゲン トイカッタブルプレートシステムを用いて治療>
橈骨頭側面に1.3mmスクリューを用い1.0mm厚のプレートを固定
橈骨外側面に1.1mmスクリューを用い0.9mm厚のプレートを固定
NEW☆体重計入荷 2017.9.22
先日、VRセンターに新しい体重計が届きました
どのような体重計かというと…
わんちゃんが自分でらくらく乗れる高さとなっており、
高い所が苦手なわんちゃんや、大型犬も簡単に
体重測定ができるという優れものです
これまでは、体が大きなこ達も抱っこをして
高い台の上に乗せないといけませんでした
これからは、わんちゃんにも優しく、より安全に
体重測定ができるようになり、さっそく愛用されています
こちらは待合室に設置しておりますので、
患者様もご自由に使用して頂けます
ご来院の際には、是非測ってみてください
ケージから出しての猫ちゃんの体重測定はお控え下さい。
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最後に、撮影のモデルになってくれたてまりちゃん
とっても人懐っこい てまりちゃん は、左上顎の手術を乗り越え、
6日間の入院の後、無事退院されました
モデル犬のお仕事もとってもお利口にしてくれました
お家に帰ってゆっくりご家族と過ごしてね
VNブログ 【佐野先生院内セミナー】 2017.9.17
VRセンターでは、定期的に院内セミナーを行っています
今回は酪農学園大学の佐野忠士先生にお越し頂きました。
その他にも、医療機器、薬品会社、ペットフードなど、
企業の方にもお越し頂いています。
今回の院内セミナーを上田動物看護師がレポートしましたので
紹介したいと思います。
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こんにちは!
動物看護師の上田です!
酪農学園大学の准教授 佐野忠士先生をお招きして
院内でセミナーを行いました。
内容は“エマージェンシー(救急処置)”と“麻酔”に関してです。
★ 動物が急変したらどうすればいい
まず心肺蘇生を行う前に心肺停止状態なのかをしっかりと確認
胸の動きや脈があるかを確認し、できれば発見してから
15秒以内には心肺蘇生を行う。
★ 具体的に何をするの
~ 一次救命処置 ~
皆様も教習所などで練習した経験はあるかと思いますが、
一次救命処置は救急車や医師が到着するまで行うものです。
動物の場合も方法は同じですが、ほとんどの場合動物病院で行われます。
心臓マッサージにより循環を確保する
気管挿管を行う
気管挿管できない場合は人工呼吸を行う
心臓マッサージ30回 ⇔ 人工呼吸2回 (2分1サイクルで交替しながら行う)
人工呼吸は動物の口を塞ぎマウスtoノーズで行う : 胸が少し上がるくらい吹き込む
※①と②はほぼ同時に行う
~ 二次救命処置 ~
一次救命処置から素早く二次救命処置に移行します。
こちらは獣医師が主導となり行われるものです。
◎モニタリング
動物にモニターを装着し、数値や波形を確認し状態を把握する
→心電図、呼気の二酸化炭素の濃度を測定するもの、
血液中の酸素の飽和度を測定するものなどがあります。
◎薬剤の投与
心臓を動かすお薬を入れていく
◎除細動器の使用
心室細動などが起きている場合に心臓に電気ショックを与え、心拍再開を試る
今回のセミナーで、エマ―ジェンシー処置には普段からのシミュレーションが大事で、
処置時に指揮をとる人がいるか、また処置後には反省点や良かった点を話し合うことの
大事さを教えていただきました。
万が一動物が急変したら、すぐに近隣の動物病院へ連絡してください
セミナーの終盤はスタッフが経験した麻酔に関するたくさんの疑問に対し、
佐野先生に丁寧に分かりやすく教えていただきました。
今回のセミナーで現場において役に立つ情報を得ることができたので、
今後もより一層質の高い麻酔管理が行えるよう努めていきたいと思います。
セミナー後の懇親会のワンシーン
佐野先生、お暑い中当院まで足を運んでいただき、
貴重なお話し本当にありがとうございました。
献血 ご協力ありがとうございました 2017.9.13
先日、ハーロックくんが献血に協力してくれました。
バッチリカメラ目線で写真を撮らせてくれました
同居犬のリリーちゃんと共にドナー登録をしてくれています。
2頭共いつも短時間で献血をさせてくれるお利口さんな兄妹です
お忙しい中、朝からご来院いただきありがとうございました
“2017大阪動物愛護フェスティバル”の案内 2017.9.11
今回は、まもなく開催されるイベントをご紹介します
毎年恒例の『2017大阪動物愛護フェスティバル』
日時 : 9/23(土・祝) 11時半~16時
会場 : 大阪市中央公会堂
内容 : 長寿動物表彰
動物絵画の展示
記念セレモニーと一般講演
講演:動物園の動物たちの健康管理
講師:奥村 育恵 先生
アドベンチャーワールド
ジャイアントパンダ飼育担当
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日時 : 11/12(日) 10時~16時
会場 : 大阪城公園 太陽の広場
内容 : 盲導犬・警察犬のデモンストレーション
ワンちゃんのしつけ教室
獣医師による動物健康相談
子ども獣医師体験
スタンプラリー・即売コーナー
ペット関連用品のサンプリング
ブラスバンド演奏
チアリーディング など・・・
夏の勉きょい合宿2017 2017.9.7
毎年恒例の全国の獣医学生が中心となり「小動物臨床実践合宿実行委員会」が
主催する 『夏の勉きょい合宿』 が8/26~8/29に山中湖にて開催されました
日本臨床獣医学フォーラム代表・赤坂動物病院医療ディレクター 石田卓夫先生
日本小動物がんセンターセンター長 小林哲也先生をはじめ
一次診療、1.5次診療、2次診療の院長先生や病理診断医、動物病院経営者
ペット保険やペットフード会社の獣医業界の様々なジャンルの方、総勢19名の
講師から直接指導を受けることができる貴重な企画となっています。
川田センター代表は、犬の前十字靭帯断裂に対して
最も有効とされている手術法、TPLO(脛骨高平部水平化骨切術)について
8/26 午後3時間の講義と8/27 午後4時間の実習を担当しました
実際手術で使用している同じプレートや工具を使い、骨模型に
プレートを固定するTPLOの手術方法の実習を行いました。
その他にも内視鏡や歯科、外科手術の基本となる縫合方法
更に名刺の渡し方などのビジネスマナーまで幅広い内容で
合宿は開催されました。
8月下旬は患者様が多く、日程調整が困難でしたが
最短の日程で講師を務め大阪へ
未来の獣医師さんの教育事業にも積極的に取組んでいる
川田センター代表です。
献血 ご協力ありがとうございました 2017.7.31
先日、整形外科の患者さんとして来院されていた
セントバーナードのこころちゃんが献血ドナーに
登録してくれました。
季節に合わせていつもかわいいリボンを付けてくる
おしゃれなこころちゃんです
今回初めて献血に協力してくれました。
暑い中、ご都合を付けてご来院頂きありがとうございました