ネオベッツVRセンター(MRI・CT完備)|大阪の動物病院

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被災地 福島県を視察して・・・                                        2012.1.30
前回に引き続き、東日本大震災の被災地についてお伝えします。

昨年12月、当センターのスタッフが東北地方を視察してきました

今回は福島県の動物たちの現状についてお伝えしたいと思います。

  ~ 視察地 ~

 
福島県は動物愛護センターや管理センターがない地域のため
震災後、動物たちの保護がスムーズにいきにくかったようです。
震災前、原発20㌔圏内には約1万頭のワンちゃんがいたと
推測されています。震災後そのワンちゃんたちは
●津波の被害により死亡・・・・・2,600頭
●同行非難・・・・・・・・・・・・・・・・・・300頭
●ボランティアによる保護・・・・・2,000頭
●行政による保護・・・・・・・・・・・1,000頭
●衰弱死・・・・・・・・・・・・・・・・・・4,000頭

【飯野町 第1シェルター】
様々な条件をクリアできる場所として、急遽貸し工場を借りて作った保護施設

 
 
  震災直後は約200頭の動物たちが保護されていました。
  現在は第2シェルターに引越しした動物たちもいるため
  約30頭の動物たちが過ごしています。

  少しでも温かく過ごせるように、お掃除がしやすいように
  ケージの中には新聞紙が敷かれています。
  
    
できる限りのことはされていますが、人材不足       それぞれの動物たちの診療簿を
などもありケージの中で過ごすことも多く、          作成して健康管理をされています
動物たちは多くのストレスを感じているそうです                     

ワンちゃんは特にストレスを感じやすく、下痢になったり
穏やかな性格だったワンちゃんが攻撃的になることも

【三春町 第2シェルター】
ペットショップ跡地に、ペット関連企業からの設備支援により作られた保護施設

 約90頭の動物たちが保護されています。
 保護されている動物たちのうち、約8割は飼い主さんが分かっています。
 しかし、原発警戒区域内に家があり帰宅できないそうです。
 飼い主さんたちは、里親に引き取られるのは寂しい。
 一緒に家に帰りたいと願っています

       
  ストレス軽減のために作られた           扉にはワンちゃんの情報が
  個室タイプのワンちゃんのお部屋
  お世話もしやすいです

      

 個室に入りきれないワンちゃんは通路の          表情が寂しそうなワンちゃん
 ケージで過ごしています               家族の元に帰りたいのかな・・・。

                      

     ネコちゃんも個室で過ごしています。              動物たちのご飯準備室
     ふくよかなネコちゃんもいて、ワンちゃん   
        たくさんのご飯を、札をつけながら
     よりストレスを感じにくいようです              間違えないように作るそうです

 

    施設の外には寄付されたコンテナーが・・・      コンテナにはシェルターを訪れた方の
    休憩所や倉庫として使っています。          励ましのコメントが書かれています

 

【アクアマリンふくしま】
  福島県いわき市にある海洋科学館………..
  震災当日5.4mの津波に襲われ
  電力が20日間も停まり、温度・酸素・水質の管理ができず
  90%の魚が亡くなったそうです。

  各地から救出の応援連絡があったそうですが、原発事故により
 施設に入れず救出ができなかったそうです。

 8割の動物たちは戻ってきていますが
 トドなど避難中の動物もいるそうです。

 

 まだまだお客さんは戻ってきていないそうです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

福島県のシェルター維持には
人件費、賃貸料、医療費、車両の燃料費などで
施設維持費に、月に約500万円の資金が必要になるそうです。
H23.12月現在で、3月頃に義援金がなくなってしまうとおっしゃっていました。

継続的な義援金、ボランティア、譲渡先、ホストファミリーを
求めているそうです。

被災した動物たちの健康を維持しながら、終わりの見えない
保護活動は想像を超える御苦労があると思います。

動物たちと別れて暮らす飼い主さんたち
家族の元に帰れない動物たち
動物たちの保護活動を行う人たち
みんなが大変で辛い思いをしていると感じました。

詳しいご支援に関する情報は
福島県動物救護本部ホームページをご覧ください

震災に備えて                                                   2012.1.16

東日本大震災から10ヶ月

大阪にいると時々テレビで放送される現状を見たりはしますが
震災直後に比べると少し遠い地の事のように感じてしまっている気もします

震災に備えて、具体的に何をしたらいいのか・・・・
日頃から何をするべきなのか・・・・迷いますよね

先日、震災を経験された宮城県石巻市の動物病院の
先生方が来られたシンポジウム

『緊急災害時に私たちができること。
そして、備えておかなければならないこと。
~東日本大震災 被災地からの報告~』
(主催:㈱ペピイ)に参加してきました

石巻市は地震後20分で第1波の津波が押しよせ
最大10mの津波が到達したそうです。
川や海沿いに都市機能が集中しているため
地域の72%が浸水したそうです
被災した犬は約4千頭
3~4割のワンちゃんが亡くなったそうです

飼い主として日頃から行っていると役立つことを
教えていただきました

◆ しつけ
  ・名前を呼んだらすぐ来るように
   呼ばれたら楽しいことがあるよっと教える

  ・身体中どこでも触れるように
   耳からしっぽまで触れるように。
   ご褒美をあげながらチャレンジを
   いざと言う時、どこかを引っ張って引き寄せられるように。
   誰にでも馴れていれば何かあった時、保護してもらいやすくなります。

  ・すぐにリードが装着できる
   緊急時に備えて・・・

  ・クレートトレーニング
   常時入りやすい所に置いて慣らしておく
   クレートにリードを結んでおくと、いざという時リードを探さなくても
   段ボールに入って過ごせる訓練も
   避難所では段ボールで過ごす可能性も・・・

  ・トイレトレーニング
   声掛けで排泄ができるように
   落ち着かない環境でも、慣れた合図で排泄ができれば
   動物たちの負担も軽減されます。
   ペットシーツの上でもできるように

  ・大型犬はおすわり、伏せ、待てができることも大切

◆ 避難用袋の準備
  ・水、フード(3日分位)
  ・お薬
  ・ペットシーツ、おむつ、ごみ袋
  ・新聞紙(暖をとる時にも役立ちます)
  ・布、風呂敷(避難所で抜け毛が防げます)
  ・簡易食器(日頃から慣らしておく)
  ・写真、迷子札、ワクチンやお薬の記録ノート
  ・予備の首輪(津波で首輪に海水がつくと塩分で皮膚病になります)

◆ ワクチン接種
◆ 同行避難ができる避難所の確認
◆ マイクロチップの装着
◆ 去勢・避妊をして

 
大きな地震が起きると動物たちの行動は
興奮して家の外に飛び出していきます
隅っこに隠れます

津波がおきた時に気をつけることは
いろいろな物が流れてくるため
リードを短くして動物と離れないように

小型犬の場合は風呂敷を三角形にたたんで
その中に動物を入れて、胸に固定すると
身体にフィットして走りやすく、両手を使うこともできます

     
   風呂敷はスリングの代わりになります

ヘドロから手足を守る為にも靴を履かせる工夫も・・・

東日本大震災の時、石巻市では黒いラブラドールの
生命力が強かったそうです。
ゴールデンレトリバーのような毛の長いワ
ンちゃんは
泳ぐことはできても、がれきに毛が引っかかって
頑張りきれなかったワンちゃんもいたそうです。
また、がれきで体が傷つき傷口からバイ菌が入ってしまう
動物たちも多かったそうです。
本当に心が痛むお話でした。

避難所では・・
動物と一緒に避難している避難所は和やかな雰囲気に
包まれているそうです
精神的支えになったり、動物たちの温もりが
人間に与える影響は大きいようです。

避難所で動物たちがみんなと仲良く過ごせるように
日頃から社会化させておくことはとても大切です。
避難所で動物たちのストレスを軽減させるために
安心・安全・快適・楽しさを感じさせてあげる工夫も大切と伺いました

地震が頻発すると動物も不安になります。
地震が起きればおやつをあげ
地震=おやつをもらえる、不安ではないと思い込ませる工夫も

~・・・・・ 当センターも、できる限り震災に備えています ・・・・・~

             防災マップの作成 
        
      近隣の避難所、病院、避難ルートを記しています。

           動物用の非常袋の設置 
  
  給水袋、簡易食器、ペットシーツ、汚物用袋、ウェットティッシュ
  防寒用シート、記録カードがセットされています。

何かあった時、動物と一緒に安全な地へ避難できることを願って・・・

次回は、東北の被災動物の現状を視察してきたスタッフの
報告をお伝えしたいと思います

新年のご挨拶                                                   2012.1.4

新年明けましておめでとうございます

素敵な初夢みましたか
動物たちも夢をみるのかな・・・
睡眠時間が長い動物たち。
時々足を動かしたり、寝言?ムニャムニャ言ったりしてますよね
なんとなく夢の世界で楽しく遊んでいる気がしますが。。。
本当のところは分かりません

 VRセンターもお正月の装いで今年もスタートしました


            入口は“しめなわ”を・・・

       
          受付もお正月らしいお花を・・・

今年も動物たちにより良い医療を提供できる様
スタッフ一同精進してまいります。

ブログではVRセンターのプチ情報が発信できればと思っています

2011年ももうすぐ終わり。。。。。                                      2011.12.29

2011年も残り3日。

年末といえば・・・大掃除
先日VRセンターも1年の汚れを落としました

スタッフも多いけど、病院も広いので大変。

            お昼ごろからボチボチスタート


   
          各自持ち場を念入りにお掃除しました。

          入院室からも応援の眼差しが・・・

終わった頃には外は真っ暗に
みんなの頑張りでとってもきれいになりました

VRセンターも開院して6年半。
今年は宇根先生が2代目センター長に就任しました。
前センター長とタッグを組み、VRセンターは更に
パワーアップしました

来年もオーナー様がワンちゃんネコちゃんと
幸せで豊かな生活を過ごすことができます様
スタッフみんなでお手伝いできればと思っています。

よいお年をお迎えください

年末年始の診療日                                             2011.12.21

今年も残り少なくなってきました
当センターの年末年始の診療日をお知らせします。

年内は12月30日(金)まで
年始は 1 月 4 日(水)から診療をおこないます。

※12月31日(土)~1月3日(火)は休診させて頂きます。
年末年始は診療の予約が混み合います。
主治医の先生と良くご相談の上、ご予約はお早めにお願いします

~・・・~・・★・・~・・・~・・★・・~・・・~・・★・・~・・・~・・★・・~・・・~★・・~・・・~

寒い毎日が続いていますね。
当センターにもおしゃれさん達があったかファッションで来院されてます

    
  寒がりプリンちゃんは                 黒いTプードルがレオちゃん
たくさんお洋服を持っています     仲良し3兄弟はいつもおそろいのお洋服

  

            

   カメラが苦手だけど、                      3兄弟の動きを揃えるのは至難の業
なんとか写真撮らせてくれました      視線の先では・・・
                             お母さんがおやつを振ってくれてます

ご協力ありがとうございました。
ワンちゃんネコちゃん共々暖かくして過ごしてください
 

★学術奨励賞受賞 ~橘先生~                                     2011.12.19

今回も・・・・
H23年度獣医学術近畿地区学会で学術奨励賞を受賞した
先生の症例発表を紹介します

最終回は“橘先生”

発表演題:『小型犬e-TPA脛骨形態異常症例に対し
        外科的治療を実施した1症例』

今回の演題のむずかしワードは・・・
“e-TPA脛骨形態異常”

そこで、今回は脛骨形態異常についてお勉強してみます

脛骨(けいこつ)の場所は?
写真の赤い丸のところ、後ろ脚のすねの部分です。

     

どんな病気?
脛骨の一部が変形してしまう病気です。

脛骨形成異常にはいろいろなタイプがあります。
そのタイプのひとつが“e-TPA”。
“e-TPA”とは、脛骨の上部の角度が過度になっている状態です。
そのため・・・・
靭帯に大きな負荷がかかってしまいます。
すると・・・・
骨をつないでいる前十字靭帯が引っぱられ切れてしまいます

      

    膝の中はこんな感じです
    前十字靭帯は大腿骨と脛骨の間にあり
    ふたつの骨を繋いでいます。

        
どんな様子?
脚が痛いので・・・
地面から脚を浮かせていたり
不自由そうに足を使います。
ケンケンで歩いている感じです

検査方法は?
身体検査で靭帯が切れているか確認
レントゲン検査で骨の状態をチェック
手術前には、骨の角度を測る為に、ものさしや分度器も登場します

治療方法は?
お薬を飲みながら激しい運動を控えて様子をみたり・・・
お薬でよくならなければ、手術をオススメします。

前十字靭帯が切れている時によく行われる手術法は
・・・『LSS』手術法・・・
 切れた靭帯に変わる人工の靭帯を設置します。

・・・『TPLO』手術法・・・
 脛骨を部分的に切り、骨の角度を変えて特別なプレートで固定します。
 すると膝にかかる力の方向が変わり、 靭帯が切れていても
 しっかり歩けます

         

   こんな感じで絶妙な形のプレートを脛骨に設置

   
活動的なワンちゃんには最適です
回復が早く、再発の可能性も低いというすばらしい手術方法です。

手術を行うと・・・
『手術前より活動的になり、元気になりました~』 と言われるオーナー様が多いです

手術後は?
入院は約2~3日
定期的にレントゲン検査に来てください。

調子が良ければ、手術翌日には少し歩けます。
1週間程度で手術をした足を使いはじめるワンちゃんが多く
1ヶ月前後で、少し安静が解除
2ヶ月~3ヶ月で、元の運動量に戻れるワンちゃんが多いようです

脚につけたプレートは
オーナー様の希望や
ワンちゃんに不具合がなければ
そのままひっそり体の中に置いておく事も少なくないです

。。。。脛骨形態異常についてのお勉強はここまで。。。。

橘先生は脛骨形態異常によって切れた前十字靭帯の治療として
“LSS法”の手術ではよくならなかったヨークシャテリアが
“TPLO法”の手術で完治したことを発表されました。

通常5㌔以下の小型犬の場合、LSS法で手術を行うようです。
最適な手術法は、体格・体重・運動量・脛骨の形態など
様々な状態を確認して決まります。
今回、最適な手術法に巡りあったことでワンちゃんは
状態がよくなりました

ワンちゃんが痛そうに歩いていたら主治医の先生に
ご相談ください

『TPLO』法の手術を行える病院はまだまだ少ないです。
当センターにはTPLOを行える整形外科の先生がいます。

ワンちゃんが楽しくお散歩をしたり快適な生活を送れる様
サポートを行いますよ

★学術奨励賞受賞 ~小山先生~                                   2011.11.24

前回に引き続き・・・・
H23年度獣医学術近畿地区学会で学術奨励賞を受賞した
先生の症例発表を紹介します

今回は“眼科の小山先生”

発表演題:『水晶体亜脱臼を伴った白内障に対する
       カプセルテンションリング使用の試み』

今回も難しい演題。。。。
カプセルテンションリングって何
読むだけでも舌噛みそう
カプセルテンションリングは、水晶体の位置がずれている
動物たちの白内障手術を安全に行う為に使うサポートリング 
これがあれば、小山先生の手術はとってもはかどるようです
   
そこで、今回は白内障についてお勉強してみます

 どんな病気?
眼の水晶体が白く濁る病気です。
動物たちの眼を見ると、黒眼が白くなっています
進行すると眼が見えなくなることもあります。

遺伝による場合、糖尿病など内科的な病気からも白内障になります
6才をすぎると老化の可能性も・・・

アメリカン・コッカー・スパニエル、プードル、柴犬に多くみられます。

 どんな様子?
眼が見えにくくなるので・・・
散歩に行くのを嫌がったり、動かなくなったり
臆病になったり、神経質になります。
いろんな事をするのが怖くなるんですね。。。

 検査方法は?
眼専用の機器を使ってたくさんの検査をします。
眼圧検査、涙の量検査
眼に光をあてたり、眼科用の顕微鏡で眼の中を覗いたり・・・
さらに・・・
超音波で水晶体や網膜の状態を確認したり・・・
さらに、さらに・・・
麻酔をかけて網膜が機能しているか確認したり・・・
網膜が機能していなければ、手術をしても視力は回復しません
こんなにたくさんの検査の結果手術ができるか検討します。
みんなみんなお疲れ様

 どんな手術?
全身麻酔が必要です。
特殊な超音波機器で、濁った水晶体を取り除きます。
その後、眼に眼内レンズを挿入します。

  
  こんなレンズが水晶体の代わりとなり
  眼の中で大活躍

すると・・・視界がクリアーになり視力が回復   

 術後のケアは?
手術後は炎症を抑える為に1日数回目薬をさしてあげたり
お薬を飲む必要があります。ご家族の協力が必要です。
定期的な通院もお忘れなく!!

。。。。白内障についてのお勉強はここまで。。。。

小山先生は、水晶体が脱臼してしまって
手術が困難な動物たちの白内障の手術も
カプセルテンションリングという画期的な
リングを使って手術を行います。

  
   こんなリングを眼の中へ・・・

ずれてしまった水晶体を安定させ、安全に白く濁った水晶体を
取り除きます。
今回の学会では、そんな画期的はリングを使って手術を行い
手術後の状態もバッチリなワンチャンに関する発表を行いました。

白内障は早期発見、早期治療で失明を防ぐことができます。
何かいつもと違うかも・・・と思ったら
まずは主治医の先生にご相談を

白内障の手術を行える眼専門の病院は少ないので
手術を考えられたら、主治医の先生を通して
当センターの小山先生にご相談ください。
先生はとっても丁寧に説明してくれますよ

★学術奨励賞受賞 ~王寺先生~                                    2011.11.9

秋の学会シーズン到来
先生たちは症例発表の為、準備に大忙し

先日もH23年度獣医学術近畿地区学会が開催されました。
当センターの先生が3名、学術奨励賞を受賞しました

受賞した先生がどんな症例発表をしていたか紹介したいと思います。
初回は“神経科の王寺先生”

発表演題:『V-Pシャント術により治療した水頭症罹患犬
       10例における治療予後と合併症』

V-Pシャント術なんだかとっても難しい演題名
専門用語もたくさん。。。。
V-Pシャント術は水頭症治療の一部として行う手術です。
まずは、水頭症についてお勉強してみました

 どんな病気?
生まれながら、もしくは脳腫瘍などの影響で頭の中に
脳脊髄液と言われる無色透明の液体がたくさん
溜まってしまう病気です。
溜まった液体が脳を圧迫して脳に悪影響を与えることで
様々な症状がでます。
チワワやダックスなどの小型犬に多く発生します。

 症状は?
発作、ふらつき、くるくる回る、手足の麻痺
うつろで元気がない、視力の低下、異常な興奮

 身体的特徴は?
頭のてっぺんの頭蓋骨に隙間がある
頭が丸く腫れている
黒目の位置が外側で下の方にさがっている
成長が遅い

 検査方法は?
血液検査・・・・・・・・他の臓器に問題がないか確認
レントゲン検査・・・・頭の中に溜まった液体の位置を確認
超音波検査・・・・・・頭の中の状態を確認
神経学的検査・・・・神経の問題箇所の確認

上記検査で水頭症が疑われたら、当センターで詳しい検査を
MRI検査・・・・・・・・頭の中の状態を更に詳しく確認
            スライス画像で鮮明に確認できます

 
 頭の中の脳室が大きくなっています
 丸く囲んだところです
 脳室の中は液体(脳脊髄液)で満たされています

 治療方法は?
お薬で状態が改善しなければ・・・手術を行うこともできます
その手術方法が“V-Pシャント術”といいます。

“V-Pシャント”とは“ventriculo-peritoneal shunt”の略。
“ventriculo”は・・・脳室
“peritoneal”は・・・腹膜
“シャント”は・・・・・液体を流す道筋
 聞き慣れない言葉で頭の中は大混乱

つまり・・・頭の中の脳室とお腹をチューブでつなぎ
頭の中の余分な液体をお腹の内に移動させる手術です
     
   こんなチューブを・・・             こんな風に体の中に設置  

              
                  手術後は脳室が小さくなりました!!
              余分な液体がきれいになくなりました
              画像を見ただけでも頭の中がスッキリ軽くなった感じ
                 
 術後のリスクは?
感染や体内に設置したチューブの詰まりなどの可能性

。。。。水頭症についてのお勉強はここまで。。。。

王寺先生は、2007年~2010年の間、当センターを受診し
V-Pシャント手術を行った動物たちの手術後の調査を行い発表しました。

手術後の合併症の中で、
チューブの詰まりや捻じれなどの物理的な障害は手術後早期に
感染は手術後すべての時期に発生する可能性があるそうです。

V-Pシャントの手術を行うと、うつろで元気がない症状や
ふらつきの症状は改善するようです。
視力の回復や重い発作、異常な行動は改善しにくいようです。

症状の改善に関しては手術前に十分検討する必要があります。
当センターの経験豊かな王寺先生にご相談ください。

普通のワンちゃんのような生活が送れる可能性も
十分ありますよ

勉強の秋!!                                                  2011.10.25

今回は当センターで行われている院内勉強会をテーマに取り上げます           

      第1回目は・・・看護士と受付が参加

        『ペットとの暮らしが運んでくれる幸せ』と題して
        細井戸大成先生の講演会

細井戸先生は、いくつもの動物医療に関連する団体で副会長や理事として
活動されており、当センターを影で支えているすばらしい先生です。

   

“ペットが飼い主に与える効用” はご存じですか?
 生活に潤いや安らぎが生まれる
 家庭が和やかになる
 子供たちが心豊かに育つ
 育てることの楽しさ
 防犯や留守番に役立つ
 お年寄りの慰めになる
 ペットを通じて人付き合いが深まる
 友達になれる
こんなにたくさんあるそうです

最近は震災の影響を受けた東北地方にも頻繁に行かれている先生。
現状報告もして頂きました。

震災後、突如発令された避難勧告
人間は避難できましたが、警戒区域内に取り残された妊娠中の犬。
悲惨な環境の中、母犬は無事に出産して子犬を育てていたお話。
被災した動物たちを救う為に、被災した人たちが行っている活動。

被災地でもたくましく生きる動物たち。その生きる姿に支えられる人たち。
人と動物は互いの相互作用によって、身体的にも精神的にも
支え合っているな。。と感じました。

      第2回目は・・・獣医師と看護士が参加


      
『重症患者における鎮静や麻酔管理』
『猫の麻酔と疼痛管理』について、三宅ゆかり先生のセミナー

三宅先生は、米国獣医麻酔専門医として海外の臨床現場で
活躍されている麻酔のスペシャリストです

そんな立派な先生がスタッフにレクチャーしてくれました。

   

当センターは検査や手術で1日平均8件の麻酔をかけています。
麻酔をかけることにはリスクが生じます。
より安全に麻酔管理を行うためにみんな真剣に勉強しました。
麻酔器の有能な機能を改めて認識したり、
薬剤の有効的なコントロール法などなど・・・
麻酔に関する技術モチベーションがぐっと上がりました
セミナー後も、先生はスタッフに質問攻め。。。

日々進化する医療を学び、1頭でも多く元気になった動物たちの姿と
オーナー様の笑顔が見れるよう、皆で技術向上に励んでいます 

待ち時間の過ごし方                                             2011.10.11

当センターには、MRIやCTの検査で来院される
患者様が多数いらっしゃいます。

まず来院後、問診票をご記入いただきます
その後、獣医師と看護士から問診させていただきます。
そしてお預かり
1時間~2時間位お待ち頂くことになります

待ち時間の過ごされ方は、皆様様々です。

    ★ 病院でお待ちの方は ★
    ★待合設置の雑誌を読んだり・・・

    準備万端の方はマイブックをご持参

       
    ★待合設置のテレビを見たり・・・

お好みのチャンネルがかかってない時はすいません

      
   ★日頃の疲れを癒してお昼寝したり・・・

       最後列がオススメシート

★外のベンチで爽やかな空気を吸われたり・・・

       一服はこちらでどうぞ

★お車の中でプライベートタイムを過ごされたり・・・

長時間はやっぱりマイカーの中でゆったりと。。。

検査中は外出頂いても構いません
お預かり時、検査終了予定時間をお伝えします。
検査が早く終わったらお電話します。
携帯電話は気にしててください

検査の内容によっては絶食絶水で来なければならない
ワンちゃんとネコちゃん
検査にワンちゃん・ネコちゃんを預けられるとオーナー様が受付に・・・
「愛犬・猫だけに絶食絶水させるのはかわいそうだから
いっしょに絶食絶水してきたの
ご飯食べに行ってきます」とおっしゃられる方もいます。

検査結果を聞いて遠方のお家まで帰る為にもエネルギー補給を
病院周辺には喫茶店、ご飯屋さん、コンビ二もあります。
受付にお尋ねください。

オーナー様の元気は愛犬・猫にも通じます。
検査で疲れた愛犬・猫にエネルギー分けてあげてくださいね